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怖い話

昨日の夕方、玄関の外で物音がしたから、

クサコが帰ったのかな、と思ったけれど、

すぐにしんとしてしまい、空耳のようだった、

おかしいな、と

ダイニングから首を伸ばして玄関を見てみると、

玄関の扉に嵌った細いガラスを通して、真っ赤な服が見えた。

確かにクサコの服だ。

どうやら、向かいのTTさんと話をしているようだった。

立ち話はすぐに終わるだろうと思って待っていたら、

結局、三十分ほど話していた。

「疲れたなあ・・」といいながら帰ってきたクサコを玄関で迎えて、

「随分たくさん話していたね」というと、

「TTさん、いろんなこと話してくれたよ。お孫さんのこととか・・」

「どんな話?」

「それは・・」といいかけて、

ちょっと複雑だから、ご飯を食べながら話そう、とクサコは言った。


それで、その話というのは・・・


TTさんには、私学に通う高校生のお孫さんがいる。
彼が中学3年の、高校受験を明日に控えた日のこと。
校内で友人と話していたら、
突然、別のクラスメートがやってきて、彼に殴りかかった。
相当ひどく殴られ、鼻の骨が折れ、後遺症が残るような大怪我だった。
その影響で、翌日の公立校の受験にも失敗してしまった。
そのクラスメートが、なぜ彼のことを殴ったのか、その理由はわからない。
不和であったとか、彼自身に問題があるということはなかった。
そのクラスメートは、以前にも同じような事件を起こしていたらしい。
この暴力事件は、結局、学校が医療費を賠償するような形でうやむやになってしまった。
>

おおよそこのような内容だった。

「このお孫さん、とても優秀だったんだって。

 試験、鼻から血を流しながら受けたんだって。

 それで、殴られても、自分が避けなかったから悪いと言って、

 相手を責めないんだって。
 
 キリストみたいだね。ほら、こっちの頬っぺたを叩かれたら、こっちの頬っぺたを出す・・って」

と、クサコは、自分の頬をなぜながら、こちらにちょっと突き出して見せた。

「でも、いい人過ぎるねえ・・・これでいいのかなあ・・??

 怖い人もいるねえ。

 中国だったら、最初の事件で、退学か、子供専用の刑務所だよ。

 日本は、どうして、こういう危ない人をそのままにしておくの?

 わたし、中学生が怖くなっちゃった。お客さんにもいるでしょう。

 近くに来たらどうしよう・・・」

 
この話から、日本が少年犯罪に如何に甘いかという話になってしまった。

この暴力的クラスメートは、将来の犯罪者の卵である可能性は高い。

こんな人間が、その辺を普通の顔して歩いている。

学校や周りだって見ない振りだ。

これは怖い。


しかし、私がもっと怖いと思うのは、

殴られた少年の心だ。

彼はなぜ怒らないのか?

被害者というより、傍観者みたいじゃないか。

人間には、腹の底から、真っ黒になって怒らなければならない時があるのではないだろうか?

理不尽なことには、怒髪天を衝いて立ち向かう。

それが、人間の尊厳というものではないだろうか。

彼は優秀な生徒だったそうだ。

優秀なだけに、教室で語られた、

「仲良くしなければいけません」

「譲り合わなければいけません」

「信じなければいけません」

「反省しなければいけません」

などという、先生の教えを額面通りに信奉して、

こんなにいい子になってしまったのかもしれない。

でも、考えてみると、この心は、「いい」というより、「弱い」のではないだろうか?

一見、とても優しくて、良いものに見える、

このような「弱い」心は、この少年一人だけのものではない。

学校や、テレビや、新聞や、あらゆる場所でこのような「教え」が語られ、

いつの間にか、日本全体に蔓延してしまった。

それが怖い。

仲良くすることも、信じることも、反省することも、どれも良いことだけれど、

それは、自分という存在、個人の人間的尊厳が前提にあってのことだ。

相手に気を遣って、

こちらはひたすら「いい人」であり続ける・・・これは、生き方として間違っている。

怒るときには怒る、

騒ぐ時には騒ぐ、

正しいと信じたら人の都合なんか考えないで突進する・・・

これが生きるということだろう!

「許し」とか「優しさ」とか「癒し」とか・・・

そんなものは、その先にあるものだ。

そうじゃなきゃ、意味がない。


これって、当たり前のことなんじゃあないかなあ・・・???



本日は曇天。

ぐっと涼しくなった。

鋤き返されて田植えを待っている田んぼに水が張られ、空を映していた。
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テーマ : 思ったこと・感じたこと
ジャンル : 日記

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